Q: 日本で就職をしたい留学生ですが、外国人の就職は難しいですか? ~おしえて!NINJA Q&A ~
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NINJA事務局より
外国人留学生が就職活動に成功するにはどうしたら良いでしょうか? 外国人留学生が失敗しがちな点もふくめて、日本の就活・転職に成功するコツを解説します。「就職活動に成功する7つコツ」ぜひご覧ください。
A: 就活のコツを押さえていれば難しくありません。
日本に留学している外国人留学生の就職率は2018年のデータでは約30%です。
この数字をみて「やはり、外国人の就職は難しい・・」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、2019年では「日本人の新卒者の就職内定率が94%」というニュースがありますので
そのように感じられるかもしれませんが、日本式就活のコツをしっかり押さえておけば大丈夫です。
近年、日本政府の方針がかわり、外国人留学生の就職率をあげる事に協力的になりましたので
外国人留学生の就職活動は追い風です!
就活のコツを紹介しますので、しっかりおさえておきましょう。
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就職活動に成功するコツ① 就職活動は大学3年生からスタートをする。
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多くの外国人留学生が、就職活動のスタート時期で失敗します。
「え?母国では、大学を卒業してから就職活動をするよ」と思われた方もいるかもしれません。
しかし、日本では、大学3年生・卒業の2年前ぐらいから、就職活動に関する情報収集を開始・活動をします。
近年の日本では、インターンシップという制度が活発になり
大学1年2年のうちから、企業のインターンシップに積極的に参加している学生さんもいます。
そして、そのインターンシップから就職になるケースも多くなりました。
「4年生になってから就職活動」「論文を書いてから就職活動」では遅く、
思い立った時には「すでに大手・上場企業はすでに応募が締め切られていた」という事も多くあります。
母国の就職活動と違い、日本企業の採用活動・選考は、あなたが思っている以上に時間と手間がかかります。
書類作成・テスト・面接は平均して2~3回程度あります。
準備は早いに越した事はありませんので、早め早めに活動を開始する事を心がけましょう。
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就職活動に成功するコツ② あなたの経歴で、就労できる在留資格が取れるかを確認する。
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どれだけ就職活動をがんばっていても、就労できる在留資格がとれなければ就職をすることができません。
まずは、あなたの経歴で、就労できる在留資格がとれるかどうかを確認しましょう。
外国人留学生が就職すると、一般的には「技術・人文知識・国際業務」「教育」「特定活動(46号)」の在留資格に変更します。
最終学位別に在留資格の変更が可能かどうかをみていきましょう。
【大学卒業以上の学位がある方(学士・修士・博士)→ 〇 】
・就労できる在留資格に変更可能です。
・「特定活動46号」のみ、日本の大学の学位に限定されています。
(海外など母国の大学の学位では取得できません)
・卒業見込みであれば、在留資格手続きは可能です。
【短大を卒業した方(短期大学士)→ 〇 】
・就労できる在留資格に変更可能です。
・「特定活動46号」は取得できません。
・4年生の大学と比較すると、比較的審査が厳しい様です。
学校で学んだ内容や成績などの提出を求められる事があります。
・卒業見込みであれば、在留資格手続きは可能です。
【日本の専門学校を卒業した方(専門士)→ △ 】
・就労できる在留資格に変更可能です。※
・「特定活動46号」は取得できません。
・卒業見込みであれば、在留資格手続きは可能です。
・専門学校で学んだ内容と、就職先企業での仕事内容の強い関連性を求められます。
例)専門学校でビジネスを学んだ方→語学力を活かす事務職に就労可能
専門学校で美容関係の勉強をした方→語学力活かす事務職に就労不可
※専門学校卒業の方は、専攻した内容と関連がつよい業界・職種に絞り
その業界・職種での就職活動をしていきましょう。
わからない場合は、専門学校の先生に確認したり、
専門学校の外国人留学生の就職先がどのような企業かを調べましょう。
【海外のポリテクニック(Polytechnic)卒業の方→ △ 】
・就労できる在留資格に変更できる事もあります。
・「特定活動46号」は取得できません。
・ポリテクニックのような、職業に特化した専門的な学校に行っていた方は、
学校で学んだ内容によって判断されます。
学校によっては、大学と同等とみなされ、在留資格許可がおりる事があります。
・入国管理局の判断になりますが、不安な場合は入国管理局の就労審査部課、行政書士に相談をしてみると良いでしょう。
【日本語学校卒業→ × 】
・残念ながら就労できる在留資格には変更できません。
(内定をもらっても、在留資格変更ができないので就職はできません)
・就職を希望する方は、日本専門学校や大学進学を検討するか、
技能実習や特定技能などの在留資格を検討してみると良いでしょう。
【高校卒業→ × 】
・残念ながら就労できる在留資格には変更できません。
(内定をもらっても、在留資格変更ができないので就職はできません)
・就職を希望する方は、日本の専門学校や大学進学を検討するか、
技能実習や特定技能などの在留資格を検討してみると良いでしょう。
※在留資格は、学位のほか、納税歴や犯罪歴、学校での出席率や成績、語学力などもみられる事があります。
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就職活動に成功するコツ③ 日本式の履歴書・職務経歴書を用意する。
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日本では、履歴書のフォーマットが決まっていますので、日本式の履歴書を準備しましょう。
(日本式履歴書は、NINJAに会員登録していただくとボタン1つで自動作成できます)
また、仕事の経験がある方は、職務経歴書も書きましょう。
具体的に、どのような経験とスキルがあるのかをまとめた書類です。
手書き・データどちらでも構いませんが、最近はデータが主流です。
データで作成する際には、フォントの統一・罫線の統一などに注意をして作成しましょう。
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就職活動に成功するコツ④ 外国人が就労できる職種かどうかを確認する。
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次に、就職したいと思っている業界や企業の求人が、
外国人でも就労できる職種の求人があるかどうかを確認しましょう。
外国人が就労できない職種に応募をしても、在留資格許可が下りませんので活動の意味がありません。
外国人が就労できる職種は下記です。在留資格別にご紹介します。
【技術・人文知識・国際業務】
語学力や技術力や外国ならではの感性や特性を活かせる職種であれば許可がおります。
例)
・機械や電気、IT分野のエンジニア、設計、生産技術、生産管理、品質管理、商品開発など
技術力や専門知識を必要とするもの。
・営業、営業企画、カスタマーサポート、宣伝PR、マーケティング、通訳、翻訳、営業活動における支援業務など、
語学力や国際的な知識を必要とするもの。
また、海外取引が発生する企業においては、経営管理、財務経理、総務、人事、広報、IRなどの
管理部門においても語学力や国際的な知識を必要となりますので、該当します。
・外国の文化や感受性を活かしたデザイナーや商品企画
・民間企業での語学教師
【教育】
・小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校での語学教育・語学教師など
【特定活動(46号)】
日本語でコミュニケーションをとりながら仕事をすすめるような職種であれば許可がおります。
(ただし、大半の仕事が単純作業でコミュニケーションを必要としない仕事は許可がおりません)
例)
・外食・飲食店での接客サービス
・小売り・流通業(コンビニ、スーパー、アパレル店舗など)での接客サービス
・製造業での現場業務
・運輸・倉庫業での現場業務
・その他、企業の「総合職」として求人募集しているようなもの
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就職活動に成功するコツ⑤ 日本語能力試験(JLPT)N2以上を確保する
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日本企業が、外国人留学生に求める能力の多くが「日本語能力」です。
2017年のマイナビの調査によると、外国人留学生に求める能力は下記です。
・日本語能力 85.0%
・コミュニケーション能力 65.0%
・適応力 47.7%
・日本文化の理解 42.9%
・行動力 37.0%
中国・台湾・香港・韓国の漢字圏出身者は日本語能力試験N1を、
欧米や東南アジアなどの非漢字圏出身者の方は、日本語能力試験N2以上は取得するようにしましょう。
大手企業や人気職種の求人は、応募者(希望者)が多い為、
日本語能力試験の結果をみて書類選考を落とす事が多くあります。
書類だけで落とされないように、日本語能力試験N2以上は取得しておきたいですね。
ITエンジニアや語学教師などについては、高い日本語力を求められる事はありませんが、
それでも日本企業は、日本語能力が少しでも高い方を好む傾向があり、就職できる可能性が高まります。
ぜひ、高い日本語力が必要ない職種での就職希望でも、日本語力をあげる努力を続けていきましょう。
また、日本語の読み書きはもちろんですが、日本語での会話力も大事です。
面接では、日本語の会話力を見られます。
日頃から、日本人ネイティブとの会話を積極的行い、会話力もしっかり上げておきましょう。
就職活動における、日本語はある程度決まった内容になります。
早いうちから、就活で使う様なビジネス用語にふれ、面接の受け答えなどについては何度も練習をすることで流暢な日本語で話せるようになるので、しっかり練習しましょう。
面接の練習は、日本人にロールプレイングをお願いすると良いでしょう。
それを録音し、「発音がうまくできているかどうか」を確認するとより効果的です。
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就職活動に成功するコツ⑥ 日本式ビジネスマナーを身につける
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日本語能力が高くても、マナーが身についていない人は就職が難しくなります。
日本式マナーとは、” 日本人が不快に感じない ” 立ち振る舞いです。
外国人にとっては、「意味不明なルール」や「バカバカしい」と思うようなものもありますが
入社後は、同僚も取引先も圧倒的に日本人が多い環境ですので、
マナーを知り、身につけようとする努力がない人を日本企業は採用したいと思いません。
「郷に入っては郷に従え」で、まずはやってみる事をおすすめします。
接する日本人の表情が変わるはずですよ。
【よくあるマナー違反】
・名刺をすぐに鞄やポケットに入れる。
・面接で足を組む、肘をつく
・オフィスシーンにそぐわないで格好で訪問する(サンダル、肌の露出が多い服装など)
・遅刻をしそうになっても事前に連絡をしない
・相手の話を最後まで聞く
・長い時間、一方的に話をし続けない。
など・・
もし、面接中、マナー違反で注意された際には、
「知りませんでした。教えて頂きありがとうございます」とお礼を伝え、
すぐに改善をする姿勢をみせると、高評価です。
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就職活動に成功するコツ⑦ 外国人ならではの特性とあなたの強みをアピール
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就職活動に成功する1~6までの条件がそろったら、
あなたの強みを存分にアピールしましょう。
日本人にはない、外国人ならではの特性や、
あなた自身の強みとなる性格や行動特性をアピールすれば
「就職が難しい・・」と感じることはありません。
【外国人ならではの特性とは?】
・日本語以外の語学力
・日本以外の文化を知っている
・日本人にはない視点や発想ができる
など・・・
【あなたの強みとは?】
・常に笑顔を意識している。
・ポジティブである
・行動力がある
・好奇心がある
・向上心がある。
外国人ならではの特性や強みを、具体的なエピソードで相手に伝えると説得力が増します。
多くの日本企業は、「常に笑顔で対応できる人」「何事も積極的に取り組める人(ポジティブ」
「チームワーカー(周囲と協力しながら仕事を進められる人)」が好きです。
この3点を意識し、相手に「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえる発言かどうかを意識しながら
アピールしていくと良いでしょう。