Q. 日本でもっとキャリアアップをして成功したいです。転職した方が良いですか? ~おしえて!NINJA Q&A ~
公開日:
更新日:
NINJA事務局より
おしえて!NINJA Q&A は、就活・転職活動をするうえでの疑問はもちろん、在留資格や日本の職場における疑問をズバリ!解決するコーナーです。日本で働く外国人の皆さんからよくある相談を紹介していますので、あなたの悩みも解決するかもしれませんよ。
A. 転職が、キャリアアップ・成功につながるとは限りません。
あなたにとって「成功とは?」「キャリアアップとは?」を考え、
転職でそれが実現できるかどうかをしっかり考えてから
転職するかどうかを判断しましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆あなたにとっての「成功」とは?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まず、あなたにとって「成功」とは何でしょうか?
・お金に不自由ない生活をすること
・地位と名誉があること
・社長になっていること
・家をもっていること
・高級車に乗っていること
・両親に親孝行をしていること
・健康でストレスのない生活をしていること
一般的には、~仕事が充実してお金に余裕があり、人から尊敬されるような人格者で人気者、人間関係に恵まれ、心豊かに生活している~ このような人のことを「成功者」と言えそうですが、この「成功」の定義は、人それぞれだと思います。
具体的にどのような状態になっていることがあなたにとっての「成功」なのかを、具体的にイメージしてみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆あなたにとっての「キャリアアップ」とは?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次に、キャリアアップとは何かを考えていきましょう。
あなたが考える「キャリアアップ」とはどうなることをイメージしていますか?
よくある、キャリアアップの具体例は下記です。
①給料をあげること
②役職をあげること
③できる仕事の範囲を広げること
④言語力やパソコンスキルなどの技術力をあげること
⑤雇用形態を良くすること
⑥勤務先の企業規模や知名度をあげること
⑦休暇や通勤時間などの勤務条件を良くすること
⑧希望の職種に変えること
様々なケースがあると思います。
次に、上記のケースが「転職」で実現できるかどうかを考えてみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
①「給料をあげること」は転職で実現できる?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「給料をあげたい」という場合は、求人情報サイトであなたが現在やっている仕事(実務経験がある職種)が、どのぐらいの給料で募集をされているかを確認してみましょう。
求人情報サイトで、あなたが現在やっている仕事内容のお給料相場を確認し、給料相場がいまのお給料よりも高い場合は、転職で給料をあげられる可能性が高いでしょう。
例)あなたが現在、人材サービス業の営業職、3年目で現在350万円の場合
A社 人材サービス 営業職 経験者歓迎 年収400万円~
B社 人材サービス 営業職 経験者 年収450万円~
C社 人材派遣業 営業職 経験者 年収500万円
あなたが現在、従事している仕事内容で、同業他社の会社で今の年収よりも年収が高い場合は、転職をしたら年収が上がる可能性が高いでしょう。
ただ、同じ営業職でも業界が違う場合、扱う商材が違う場合は、知識をイチから学ぶ必要があり、未経験として扱われ、給料が下がる場合があります。
給料の差が出やすい事例としては、今よりも利益率が高い商材を扱っている会社に転職する、中小企業から大企業に転職をする場合です。
例えば、同じ「人事担当」でも、飲食店を経営している飲食業の人事と金融業の人事だと給料が違います。この場合は、利益率が高い金融業界の人事の方が給料が高い傾向があります。
企業規模も同様で、一般的には大手企業の方が生産性が高く利益率が高いため、同じ職種でも中小企業よりも給料が高い傾向があります。
中小企業でも利益率がたかく給料水準が高い企業もありますし、利益率は高くなくとも、社員の給料水準が高い企業もあるので、一概には言えませんが、いくつかの会社を比較検討するようにしましょう。
ただ、給料が他と比較して高い企業というのは、ライバルも多く、求められる能力も高いという事です。いまの職場で実績をだし自信がある様であれば挑戦してみましょう。
その他、職種によって給料は変わります。例えば、営業職と事務職であれば営業職の方が給料水準が高い傾向があります。ただ、あなたが現在、事務職で営業職になる場合、営業としての仕事経験がありませんので未経験からのスタートになります。その際は、給料は現状よりも下がる可能性があります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
②「役職をあげること」は転職で実現できるの?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなたが今、役職についてない場合は、転職で役職を手に入れることは難しいでしょう。
マネージャーや部長などの役職につける人は下記のようなことができる人です。
・実務経験が豊富にあり、圧倒的または安定的に実績を出す事ができる
・新人や後輩に仕事を教え、1人前に育てることができる
・ノウハウ共有や会社の成長に役立つ情報発信を積極的に行っている
・業界のこと、会社のこと、顧客のことをよく理解しており周囲から信頼されている
・リーダーシップを発揮し、社内外の課題を解決できる
・売上拡大や業務効率をあげる提案、実行ができる
・自分のことだけではなく、部署のこと、会社のことを考えて物事を判断することができる
日本企業では、マネジメント経験がない人をいきなり外部から採用をして役職者として配置することは稀です。上記のとおり、役職者は、仕事経験が豊富で会社にとって正しい判断ができ、部下からの信頼も厚くなければ務まりません。そのため、ある一定期間その会社に属して実績を出し、会社や同僚から認められた人が役職者として抜擢されるのが一般的な日本の企業文化です。
したがって、あなたに役職がない場合は、現在の職場で役職者になれる方法を模索した方が良いでしょう。
あなたが、いま役職についている場合は、同じ役職であれば転職は比較的可能です。
例)現在 → 転職後
ーーーーーーーーーーーーーーーー
課長 → 課長
マネージャー → 課長(転職先では、マネージャーと課長が同等レベル)
部長 → 部長
この場合も、転職で中途採用した人をいきなり役職者として迎えることは企業にとっては不安材料になります。これまで実績と信頼を得ていた人が、転職先でも同じように実績と信頼を得られるとは限らないからです。
したがって、まずは「役職なしの一般職で入社をして、6か月後に役職者になる条件で入社をする」というケースはよくあります。それだけ、日本の企業で転職で上位の役職を得ることは難しい、ということです。
ただ、あなたがいま、大企業の課長職で10名の部下をたばね、売上規模10億円のマネジメントをしている場合、売上規模10億円以下の同業界・同職種であれば部長などの役職で迎えられる可能性があります。大手企業で培った人脈や営業力、マネジメントノウハウを導入してくれることを期待するためです。
大手企業の看板を背負って仕事をするのと、知名度がない中小企業の会社名で仕事をするのは、思った以上に難しいことでもあり大きなチャレンジでもあります。大手企業から中小企業へ転職をしても成果がだせるかどうか、よく考えてから転職をしましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
③「できる仕事の範囲を広げること」は転職で実現できる?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・経理をしているが、決算業務も挑戦してみたい
・営業アシスタントだが、営業もやってみたい
というように、「できる仕事の範囲を広げること」は転職で実現できます。
しかし、仕事の範囲をもっと広げたい場合は、転職よりも今の職場で上司に相談した方が、実現が早いかもしれません。
昔の日本人は「先輩の仕事を見て覚える」「上司の仕事を自分からまきとる(上司の仕事を手伝い同じレベルで仕事ができるようになる、上司を楽にしてあげる)」「自分の仕事は自分でつくる(指示されなくても、自分から率先してやってみる)」という習慣があり、現在もその習慣が残っている会社も多くあります。自分がそうやって育ってきたマネジメント層もそのような意識で部下に接する事が多くあります。
したがって、先輩や上司は、指示をせずにあなたの方から「この仕事、私がやりましょうか?」「この仕事をやってみたいです」「この仕事を手伝わせてください」と言われるのを待っている可能性があります。
転職で解決をする前に、ぜひ、先輩や上司に「もっと仕事の幅をひろげたい」「もっとレベルの高い仕事に挑戦してみたい」という意思を伝えましょう。
意志を伝えたうえで、「まだ早い」「任せられない」と言われた場合は、何が不足しているのかを確認しましょう。日本語レベル、仕事の正確さ、知識、スピード感、など足りないものを率直に指摘してもらい、改善をする努力をしましょう。
明確な答えがない、実現できない組織だと判断した場合は、転職で実現させましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
④「言語力やパソコンスキルなどの技術力をあげること」は転職で実現できるのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「言語力やパソコンスキルなどの技術力をあげること」を目的とする転職はできるかもしれませんが、転職活動はうまくいきません。
理由は、企業は「すでに言語力がある人」「すでにパソコンスキルがある人」を優先して採用するからです。例えば、WEBデザイナーになりたいと思っても、あなたがPhotoshopもillustratorも使えない場合は、書類選考で落とされます。企業の採用担当は、Photoshopもillustratorができる人優先してに面接をすすめます。企業は学校ではありませんので「入社してから教える」ということは積極的にしません。
「入社してから語学を勉強してくれれば良い」「入社してからパソコンを勉強してください」という会社の求人は稀で、可能性があるのは、未経験OKの求人や新卒を募集する求人ぐらいです。
言語力やパソコンスキルなどの技術力を上げたい場合は、いまの仕事の中で学べる方法を模索するか、仕事以外の時間で学び、みにつける方法を考えましょう。
例)先輩に教えてもらい実務でやってみる
英会話教室に通う
パソコン教室に通う
YouTubeで勉強をする時間を1日15分とる
「●●が実務経験であります」と自信をもって言えるようになった場合には、より仕事で使う機会が多い職種や企業に転職をしてみると良いでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑤「雇用形態を良くすること」は転職で実現できるのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「雇用形態を良くすること」は転職で実現できます。
雇用形態を良くするとは一般的には、雇用の契約期間が無期限で、福利厚生を100%うけることができる安定した正社員をめざすことです。
例)
アルバイト → 契約社員 → 正社員
派遣社員 → 正社員
契約社員 → 正社員
あなたが、いま、アルバイトや派遣社員などの非正規雇用で、フルタイムの正社員を目指したい場合は、今の職場で「正社員登用制度や実績」があるかどうかを確認し、正社員登用制度や実績があれば希望を伝えましょう。「制度はあるが、実績がない」という企業は、正社員になる条件や基準が高い可能性があります。形だけの制度になっている可能性もあります。実際に正社員になるチャンスがあるのかをよく確認し、そのまま勤務を続けるかどうかを判断しましょう。
いまの職場に正社員登用のチャンスがない場合は、転職活動をしましょう。まずは、希望の正社員の求人に応募をしましょう。正社員の求人応募をしても上手くいかない場合は、契約社員や派遣社員の求人で「正社員登用チャンスあり」という記載がある企業に応募してみましょう。
人によっては、自分の都合で自分の好きな時に働きたいとう人もいると思います。その場合は、アルバイトやフリーランスや委託社員などの選択肢もあるでしょう。アルバイトやフリーランスになる場合は在留資格の更新ができるかどうか、仕事が減っても生活が維持できるかどうかを検討してから、雇用を切り替えましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑥「勤務先の企業規模や知名度をあげること」は転職で実現できるのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
勤務先の「企業規模や知名度をあげること」は転職で実現できます。
ただ「大企業に勤めること」「知名度が高い会社に勤めること」を希望する人は多いので、ライバルも多く、企業からも求められる条件が高い、ということは理解しておきましょう。
大企業や知名度の高い会社に勤務している人材は、学歴があり(学力が高い)、仕事の能力や技術力も高い方がそろっています。既存の社員の方よりも、更に高い能力や実績がある、既存の社員さんよりも付加価値が提供できるという自信があれば、大企業や知名度の高い企業に転職できるでしょう。
大企業や知名度の高い企業に転職したい場合は、下記の方法があります
・欠員補充(退職したひとの後任を探す)
・新規事業、新規プロジェクトメンバーの募集
・派遣社員で大手企業に派遣してもらい、正社員登用チャンスを狙う
・大企業や知名度の高い企業に勤務している友人や知人に相談、リファーラル採用の可能性を探る
(リファーラル採用:社員の友人や知人を採用すること)
あなたが希望する条件に合い、あなたの能力と実績が評価されそうなポジションがあれば挑戦してみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑦「休暇や通勤時間などの勤務条件を良くすること」は転職で実現できる?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「休暇や通勤時間などの勤務条件を良くすること」は転職で実現できます。
・残業を減らしたい
・有給休暇をもっと取りたい
・通勤時間を短くしたい
・子育てと仕事を両立したい
など、それぞれ希望があると思います。
あなたが、現在の仕事内容に満足している場合、すぐに転職をするのはもったいないと思います。なぜなら、転職で今と同じように満足できる仕事が見つかるとは限らないからです。
まずは現在勤務している企業で理想とする勤務環境が実現ができないかどうかを模索してみましょう。残業時間をへらすために業務の効率化を考えて提案をしたり、チームで話し合う機会をもうけてみましょう。また、通勤時間を減らすために、引っ越しをすることを検討してみるのも良いでしょう。
自分や同僚・上司の協力があっても解決できない場合は、転職を検討してみましょう。
日本政府の号令「働き方改革」が叫ばれてひさしい日本企業ですが、2020年3月現在、働き方改革が進んでいる企業とそうではない企業が混在している状況です。したがって、いま勤務している企業が「常態的な長時間残業」「頻繁な休日出勤を求められる」「有給休暇が取れない、取りづらい」「子育て中や介護中の社員への風あたりが強い」などの傾向がある企業の場合は、働き方改革を積極的に取り組んでいる企業に、転職すれば、仕事とプライベートのバランスがとれた生活が実現できる可能性があります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑧「希望の職種に変えること」は転職で実現できる?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「希望の職種に変えること」は転職で実現できる可能性はありますが、職種によっては難しいでしょう。
多くの転職者向けの求人は「経験者」を求められているため、未経験の人材を採用することはないからです。したがって、まずは、いまの職場で配置転換・異動が可能かどうかを上司に相談してみるのも良いでしょう。異動にはスキルの条件や上司の推薦が必要な場合があるので、どうやったら異動のチャンスがつかめるのかを具体的に確認しましょう。
転職で希望の職種につける可能性がある方法としては、求人サイトで「未経験歓迎」「未経験OK」「未経験からのスタート」という求人の特集で紹介されるような職種です。
よくある「未経験OK」の職種は下記です。
・接客や販売などのサービス業
・営業職
・カスタマーサポート
・一般事務
このような職種であれば、経験がなくても挑戦することは可能で、知識や経験がなくても入社でき、入社後に仕事を教えてもらえます。
ただ、未経験OKであっても、オフィスワーク(営業職・カスタマーサポート・一般事務など)については、Excel、Word、PowerPoint、メールソフトなどの基本的なPC操作ができることが前提ということもあるので、必須スキルの条件はよく確認しましょう。
パソコンスキルに自信がない方は、まずはYouTubeやWEBサイト、パソコン教室で勉強をし、日本語の入力やExcelやWordなどの基本的な操作はできるようにしておきましょう。
よく相談される職種変更が、接客などのサービス業から事務職へのキャリアチェンジです。オフィスワークは希望者は多く、ライバルも多い状況ですので、転職活動をしてうまくいかない場合は、自分のスキルで何が足りないかを確認し、勉強をはじめましょう。経理などの専門職を目指す場合は、日本の専門的な資格を取得することもPRの1つになります。
オフィスワークの転職活動がうまくいかない理由は「日本語レベルが低い」「オフィスワーク経験がない」という理由で不採用になる事が多いです。日本でオフィスワークの経験を積みたい方は、派遣社員などでオフィスワークに挑戦してみるのも良いでしょう。派遣社員であれば未経験でも事務職につける可能性があります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆その転職は、あなたにとっての「成功」につながる?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これまで、あなたにとってのキャリアアップが転職で実現できるかどうかをご紹介しましたがいかがでしたか?
転職をする決心をした方、今日から勉強をはじめることを決意した方、転職を延期した方など様々だと思いますが、あなたにとってのその決断は、あくまでもあなたが目指す「成功」の通過点です。
その決断の1年後、3年後、5年後を想像してみましょう。あなたが成功をするイメージに少しでも近づいていますか?
成功に少しでも近づくために、今何が必要か、3年後にどうなっていれば良いのか、5年後に何をしておかなければならないのかを、考えて設計してみましょう。より詳細に明確にイメージできた方が成功への道筋や必要なものが見えてきます。
また、日本で実際に成功している外国人の先輩に話を聞き、アドバイスをもらったり、実際に成功者の真似をしてみるのも有効です。また、日本における外国人材市場を良く知っている転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。
NINJAの転職エージェントは、あなたが成功するまでの道筋を一緒に考え、成功計画のお手伝いすることが可能です。ただし、NINJAの転職エージェントは、本気であなたの成功を応援していますので「いま転職をするべきではない」「いま転職をしたらあなたの成功が実現できない」と思った場合は、転職をすすめない場合もあります。
「転職すべきかどうか」の相談だけでも構いませんので、ぜひ、NINJAに会員登録・ご相談くださいね。
日本で成功するための計画を一緒に考えよう!まずはNINJAに会員登録▶▶