Wallace Cheung(ウォレス・チャン) カナダ出身 │ 38歳 │ 男性 │ 在日5年目
カナダ・バンクーバーで生まれ育ち、現在は株式会社ザ・プラントのデータアナリストとして活躍しているウォレスさん。日本での仕事と生活はとても相性が合うそうです。自身の専門的な知見を生かせる仕事をしながら、自身の居場所を作り、日本での生活を積極的に楽しむ秘訣をお聞きしました。
日本文化にはもともと親近感があった、カナダのバンクーバーで生まれ育ったカナダ人です。両親はカナダにいますが、祖父母や親戚は香港にいます。幼少の頃から日本のアニメやポップカルチャーに触れて興味があったため、日本の文化に親近感を抱きながら育ちました。
高校を卒業した後は地元バンクーバーにあるブリティッシュ・コロンビア大学に進み、薬学を専攻しました。そこでは数多くのデータリサーチを行う勉強をして、卒業後はデータの解析を行う専門家として、公務員として政府機関へ就職をしました。
しばらくして今度はアメリカのスタートアップ企業へ転職をしました。そこでもデータを扱う仕事をしたのですが、それが大きな人生の転機となりました。実はその会社はアジア市場を重視していて、しかもリモート勤務を推奨していたのです。リモートはカナダ国内のみならず、海外も含まれていました。ですので私は即座に日本でのリモート勤務を選択し、密かな目標であった日本移住の夢を実現させたのです。それは3年間という期限付きでした。
最初は東京の杉並区永福町に居を構えました。閑静なエリアでしたが、渋谷や新宿にも近く大変気に入っていました。住む場所として東京を選んだのには理由があります。まず世界でも稀な、非常に安全な大都市だということ。そして私が育ったブリティッシュコロンビア州のバンクーバー地方は小さな都市でしたので、色々な機会やチャンスのある「大都市」に憧れていたというのが本音です。
東京滞在中は、北海道、東北、福島、青森、富士山、関西、沖縄、石垣島など日本各地も旅行し、日本の魅力を発見しました。
そうして東京の生活にも慣れてきた頃、コロナで国境が閉鎖されてしまいました。帰国を決断し、一旦バンクーバーに戻りました。幸運にもまた政府機関で職を得ることができました。
しかし日本への愛情は募るばかり。日本が自分で決めた故郷(ホーム)だと改めて感じたため、コロナ禍後の2022年に、片道切符を手に日本へ戻りました。東京へ戻った後にすぐ人材登録をして職探しを開始しました。そこでたまたま出会った会社(現在のThe Plant)で、データアナリストとしてデータ解析の専門知識が生かせる人材を探していること、そして相性が合いそうだったことから今の会社への転職を決断しました。
現在は データアナリストという仕事をしています。顧客のマーケティングデータを深掘りしてリサーチする業務です。またその大切なデータシステムを別のデータに移し替えることや、データのストラテジーコンサルティングも顧客に対して行っています。
今の会社の好きなところは、やはり人です。とてもカジュアルな雰囲気で、考え方が違っていても互いを尊敬しあうことができるという点が気に入っています。また公私のバランスが取れていることも大きいです。リモート勤務ができ、何かあっても柔軟的に対応してもらえるので、マネジメントを信頼することができます。おかげさまで仕事において、自分を生かして活躍できる場所、すなわち自分の居場所を作ることができました。
日々の暮らしについてですが、平日は大体7時から7時半に起床し、朝食を食べ、少し運動をしてから9時半に仕事を開始しています。データチームの一員として、プロジェクトの管理やプロジェクトの構築などを進めます。お昼は自由な時間に取り、その後ミーティングなどをしているうちにあっという間に午後7時。その後は夕食の買い物に行ったり、リラックスをする時間にしています。今は東京の品川区に住んでいますが、とても便利なエリアで気に入っています。
趣味はたくさんあります。まずはハイキングです。週末や休日に、よく東京近郊の山(奥多摩・丹沢・秩父など)へ行き、四季折々のハイキングを楽しんでいます。都会の喧騒からちょっと離れるだけでこれだけの大自然に出会えるというのは正直凄いと思います。
今度、四国のお遍路にも行きたいと思っています。また観光地だけでなく、メジャーではないところに行くのも楽しいですね。日本は、南国の暖かいところもあれば北国の豪雪地帯もあるのが魅力的だと感じます。
もう一つの趣味は「金継ぎ」です。欠けたり割れたりした器を、漆を使って修復する日本の伝統的な技法を勉強しています。あと食べることも大好きで、特に「油そば」が大好きです(笑)。これは日本にしかありません。
ただもちろん課題もあります。私の場合は 言語の問題です。日本語のコースを取っていますが、敬語の使い方には苦労しています。敬語は本当に難しいです。
たまにカナダが恋しく感じることもありますが、仕事や趣味など、日々の自分の生活や人々との出会いを通して、日本は自分の故郷(ホーム)だと感じています。もちろん自分で作った故郷ではありますが、やはり日本とは相性が合うのです。感謝の気持ちでいっぱいです。
日本語の「一期一会」という言葉が大好きなんです。全ての機会はワンチャンス・オンリーなのだというコンセプトは、美しくもあり儚さもあります。その瞬間瞬間の人生の冒険を一生懸命謳歌すること。そしてこの「一期一会」という言葉は、日本で頑張っている全ての外国人に対する私の応援メッセージでもあります。
日本で私がやりたいことはまだまだあります。まず 仕事では、AIの領域をもっと勉強して、仕事を通じて貢献していきたいです。プライベートでは、自分の家を日本で建てることです。特に日本の田舎に家を持ち、ガーデニングをすることが私の夢です。個人的には伊豆半島の下田のような、海が近くて暖かいエリアが好みです。
「Embrace Everyday」 毎日を思いっきり楽しもう。これが私のモットーです。私の日本での冒険は、今後も進化を重ねながら前進していくと思います。
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