ダン ティ タイ ベトナム出身 │ 39歳 │ 女性 │ 在日4年目
ベトナムの日系大手メーカーで13年以上勤務、課長に昇進し30名の部下をもっていたタイさん。どうやったら日本企業に認められ、昇進できるのでしょうか?その秘訣をお聞きしました。
【学歴・経歴】
・2002年(ベトナム)ハノイ大学 日本語学部 卒業
・2017年(日本)医療支援サービス企業 医療ツーリズム担当
・2019年(日本)医療支援・コンサルティング企業 ベトナム関連プロジェクト担当
日本語を勉強したきっかけは父のすすめでした。
父が仕事で日本の大手メーカーと取引していた関係で、父は日本人のマナーの良さに感心しており、日本語を勉強することをすすめられました。「日本人と働くと色々と勉強になる」と言われましたので、日本語を専攻することに決めました。ベトナムでは英語を勉強する人が多いので、ほかの言語を学ぶのも良いと思いと思いました。
大学の日本語学部を卒業して、ベトナムにある日系の大手メーカーに就職をしました。日本語力をいかすため、日系企業での就職を希望していました。大学卒業と同時に縁があり入社をしました。
自宅から、会社の通勤バスで1時間かかる場所に職場がありましたので通勤が大変でした。仕事が嫌で辞めたいという事はありませんでしたが、子供がまだ小さかった時に往復の通勤がつらいと思った時期もありました。それでも結局、13年半ほど1つの会社で勤務をしました。
就職してから、はじめの5年は、製造工場の総務事務のような仕事を担当しました。日本の工場で研修するベトナム人スタッフの出国手続き、ビザ申請やホテル予約の手配をしました。そして、ベトナム現地に新規プロジェクトの支援に来た日本人技術専門家が、スムーズに仕事ができるように翻訳・通訳をしました。
6年目に係長に昇進し、生産原価管理を担当しました。社内の関係部署と連携をとり、生産に必要な材料の原価を正しく設定するなど原価削減活動を推進しました。社内の原価削減目標を達成した時には、とてもうれしかったです。
9年目には、さらに昇進と異動で、完成車物流部の課長となりました。配車時間の短縮、輸送時の不具合の削減、安全運動活動における改善案の提案などを実施しました。そして、輸入に関する新プロジェクトも担当しました。具体的には、輸入する際の港の選定、整備基準を決め、その基準でオペレーションができているかチェックを徹底する仕組みをつくりました。結果的に、安全・品質・リードタイムのKPIを改善することができました。このプロジェクトに関しては、とくにやりがいと達成感があり上司からも褒められました。
最後の約2年は、補給部品物流+輸出入課の課長として、輸入時間の短縮やクライアントの補給部品の待ち時間の短縮など、顧客満足度を向上させるための改善に着手しました。在庫システムの見直しサプライヤーとの交渉をし、生産リードタイム、補給部品の待ち時間短縮が実現し、代理店からは感謝の言葉をいただきました。会社のCSIのレベルアップに貢献できたと自負しています。
13年半で、日本人の上司、ベトナム人の上司やほかにも国籍がことなる人たちと仕事をしましたが、国籍や育った環境が違うからといって、何かが違うというということはありませんでした。日本の大手企業で、企業文化がしっかり確立している会社でしたので、人によって仕事の判断や方向性がブレる事はありませんでした。
入社してから日本人の上司に「相手の立場にたって考える」ということを徹底して叩きこまれました。何かを伝えたい時には、「相手の立場を考えて伝えること」「わからない人にも理解できるようにわかりやすく説明すること」を心がけていました。
また、私自身が、何事に対しても「工夫をすること」がモットーなので、仕事でも常に改善意識を高くもって行動していました。会社自体も「改善をしつづけてサービスを向上させていく」という方針でしたので方向性が合っていました。そういった事もあり、会社から評価されたのではないかと思います。
管理職になってからは、部下が30名、思った以上に調整業務が多いなと思いました。部下に対しては、ルーチンワークだけではなく、ちょっと高い目標を設定し、メンバーがやりがいを感じてもらえるように工夫をしました。
また、目標達成をするために、目標をこまかく分解し、それぞれのメンバーに「どうやったら達成をするか?」を考えてもらう宿題を出したりしていました。常にモチベーションを高くたもってもらえるように意識をしていました。
ベトナムの日系企業を退職後に来日し、医療ツーリズムのアテンドの仕事を約2年担当し、現在は医療支援サービスの企業に転職をしました。ベトナム関連のプロジェクトを立ち上げる予定があるということで、オファーをいただきました。日本語もまだまだブラッシュアップしたいですし、会社にも早く貢献できるようになりたいです。
将来の目標は、自分のことよりも子供のことですね。子供が日本社会でしっかり生きていけるように、勉強も受験もサポートすることです。私がベトナム人ですので、日本でおくれをとらないように、しっかりしなくては!と思います。
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