こんなに違う!日本と中国の仕事のすすめ方・ビジネスマナー・考え方の違い
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NINJA事務局より
同じ東アジア圏でも、日本と中国の、仕事のすすめ方・ビジネスマナー・考え方が違うことをご存知ですか?日本で働く中国出身のみなさんは、日本企業の商習慣に一度は戸惑った事もあるのではないでしょうか?
今回は、日本と中国の仕事のすすめ方・ビジネスマナー・考え方の違いについて解説します。の記事をよんで、少しでも日本社会のことを理解し、日本での仕事がしやすくなれば嬉しいです。
早速ですが、7つのテーマ「名刺の意味と取り扱いは?」「契約書の締結は?」「ミスに対する謝罪は?」「仕事(社内)での人間関係は?」「仕事のすすめ方は?」「お給料のことは?」「転職のことは?」において、それぞれ解説をします。
早速ですが、7つのテーマ「名刺の意味と取り扱いは?」「契約書の締結は?」「ミスに対する謝罪は?」「仕事(社内)での人間関係は?」「仕事のすすめ方は?」「お給料のことは?」「転職のことは?」において、それぞれ解説をします。
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名刺交換編: 日本の名刺は相手の分身 中国の名刺は連絡先を伝えるもの
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【日本の仕事シーン】
日本の仕事シーンにおいて、名刺は「相手の分身」とみなされ、
丁寧に扱わなければなりません。
相手の名刺は両手で受け取り、名刺入れを座布団のようにしてその上に名刺を置きます。
商談中は、名刺入れと名刺を机の上にまっすぐに置いておきます。
名刺入れに入れる時は、「お名刺を頂戴いたします」と言い、丁寧に名刺入れにおさめます。
【中国の仕事シーン】
中国の仕事シーンにおいて、名刺は「連絡先を伝えるツール」です。
初対面では、名刺交換をしない場合もありますし、
名刺交換をしても、すぐに名刺を鞄にしまう事もあります。
日本のように、相手の名刺をチラチラみるのは反対に無礼にあたります。
「名前を覚えられないのか?無礼な奴だ」という印象を与えてしまいます。
【日本で仕事をする際の注意!】
・名刺をもらったら丁寧に扱いましょう。
・名刺はすぐにおさめずに机の上にまっすぐおいておきましょう。
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契約書編: 日本は人間関係+契約書どおり 中国は人間関係+契約書どおりにいかない?
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【日本の仕事シーン】
日本の仕事シーンでは、取引を開始する際には、契約書の締結をします。
契約書の締結のタイミングは、会社の規模や人間関係によって変わりますが
基本的には、取引をする事がきまった段階で契約書を締結します。
また、その契約書の内容どおりに取引がすすめられ、後で変わる事はほぼありません。
【中国の仕事シーン】
中国の仕事シーンでは、人間関係によって契約書をかわしたり
口頭での約束で終わる事もある様です。
また、契約書締結後に状況により内容を変更することもあります。
【日本で仕事をする際の注意!】
日本の場合、取引がはじまった段階で、より条件の良い契約に変更するように要求したり
状況によって変更依頼をすると、「不誠実だ」「卑怯だ」という印象で捉えられて
しまいます。会社とあなた自身の信頼を失う可能性もあります。
契約書は締結する前に社内での合意をとっておき、契約の内容どおりに取引をすすめましょう。
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謝罪・ミス編: 日本はすぐに謝る・お互い様 中国は謝罪は敗北・徹底的に相手を追及
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【日本の仕事シーン】
日本の仕事シーンでは、会社として至らなかった点については、すぐに謝ります。
至らなかった点や非を素直に認め、再発防止策や改善点を報告します。
ほとんどのミスは、謝罪の言葉と今後の仕事に対する誠意ある姿勢と成果で許してもらえます。
(損害が大きいものは裁判になる事もあります)
【中国の仕事シーン】
中国の仕事シーンでは、「謝罪は敗北」とみなされるので、すぐに謝る事はありません。
相手に落ち度はなかったか、徹底的に追及する事もあります。
【日本で仕事をする際の注意!】
日本において、謝罪は敗北ではありませんので、まずは「申し訳ございませんでした」
と伝えましょう。日本社会において、ミスやトラブルは相手の一方的な過失ではなく
「お互い様」という考えで、お互いの不注意によって発生するものだという認識です。
あなた「この度は、申し訳ございませんでした」
取引先「いえいえ、こちらこそもう少し早く確認すればよかったのですが。」
というやり取りをして、お互いに気を付けて今後もより良い取引をしていけるように
今後どうしていくかをお互いに話し合います。
たとえ相手の非が100%であっても「自分にもミスを防ぐ方法があったはず」と考え、
相手を思いやれる言葉が言える人は、日本社会において、
信頼でき、高く評価されるビジネスパーソンです。
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仕事(社内)の人間関係編: 日本は割とドライ 中国は家族的で密接
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【日本の仕事シーン】
日本の仕事シーンでは、近年は仕事とプライベートの人間関係はしっかり分けたい、
という人が多くなりました。
もちろん、仕事の同僚や上司部下の関係でも、
プライベートで食事をしたりレジャーを楽しむ方も多くいます。
【中国の仕事シーン】
中国の仕事シーンでは、自分より年が下の社員は「妹」「弟」と捉え、
仕事の面倒もみるし、プライベートでの面倒もしっかりみる傾向があります。
年上で自分の面倒を見てもらう相手を、仕事中でも「お姉さん」と呼びます。
【日本で仕事をする際の注意!】
日本の場合、組織的に「上司」にあたる人が、あなたの面倒をみてくれる人になります。
ただし「面倒をみる」といっても、多くは仕事面における指導やケアに留まります。
あなた自身のプライベートな事や、家族の事などについて話をきいたりアドバイスを
することはあっても、具体的に何かアクションをおこして問題を解決したり、
金銭面で補助をするという事はあまりありません。
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仕事のすすめ方: 日本は報・連・相、中国は権限の範囲内で自由に、事後報告
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【日本の仕事シーン】
日本の仕事シーンでは、報・連・相 (ホウレンソウ)という言葉があります。
これは何かというと、報告・連絡・相談の略語で、
常に報告や相談をしながら仕事を進めることを意味します。
何かを決断して進める時、仕事の進め方に迷った時、トラブルがあった時は
すぐに上司に報告・連絡・相談をします。
「報告・連絡・相談」ができる人は、信頼できる良いビジネスパーソンという評価をされます。
【中国の仕事シーン】
中国の仕事シーンでは、権限の中であれば自由に自分の判断で仕事を進める事ができます。
何かを決断して進める時、トラブルがあった時も自分で解決して
上司には事後報告が多い様です。
【日本で仕事をする際の注意!】
中国式の仕事の進め方に慣れている方は、日本式の仕事の進め方は窮屈に感じるかもしれません。
また、「信頼されてない」「任せてくれない」と感じるかもしれませんが、そうではありません。
あなたがより仕事をうまく進められるように、成功できるように、トラブルを回避し
的確なアドバイスをする為に、報・連・相 (ホウレンソウ)を求めています。
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給料編: 日本は給料の話はNG 中国はオープン
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【日本の仕事シーン】
日本の仕事シーンでは、自分のお給料がいくらかという話はしません。
自分の給与額を知っているのは、会社では上司・人事・経理だけ、
プライベートでは家族とよほど親しい友人やパートナーぐらいです。
また、お給料の交渉をするのはエグゼクティブクラスの管理職ぐらいで、
一般的には会社の評価を素直に受け入れます。
【中国の仕事シーン】
中国の仕事シーンでは、お互いに給料明細を見せ合い給与額を確認しあったり
新入社人など会って間もない人に対しても給与額を聞く事もあり、
自分の評価と給料が適切かどうかを判断します。
また、お給料の交渉は頻繁で、積極的です。
【日本で仕事をする際の注意!】
日本人に対して「給料はいくらもらっているのか?」という質問はやめましょう。
親しくなった場合は、もしかしたら教えてくれるかもしれませんが、
知りたい時は、まずは自分のお給料の話をし、なぜ知りたいのか理由を伝えましょう。
お給料の交渉は、まずは「どうやったらお給料があがりますか?」という質問をしましょう。査定基準を明確にしたうえで、実績やスキルのアピールをすると効果的です。
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転職編: 日本は慎重・ネガティブ、中国は積極的・ポジティブ
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【日本の仕事シーン】
日本の仕事シーンでは、近年は転職する事は珍しい事ではなくなりましたが
それでも、転職・人材市場においては、転職回数が多い人や、
一社あたりの勤務期間が短い人は市場価値が低い状況です。
また、「転職理由」に関しても細かく聞く傾向があり、
ビジネスパーソンとして考え方に問題がないかどうかを注意深く判断されます。
【中国の仕事シーン】
中国の仕事シーンでは、転職はより良い条件の仕事につく為、
より多くのチャンスをつかむ為の手段の1つで積極的です。
転職回数が多いと「人脈がある」「能力が高い」と判断されることもある様です。
【日本で仕事をする際の注意!】
基本的に「転職はネガティブにとらえられる」と理解しておいてください。
1社で1年程度の在籍での転職は「何か問題があるんではないか?」と疑われます。
転職をする際には、転職したい理由を論理的に答えられるようにしておきましょう。
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日本と中国の仕事・ビジネスマナー・考え方の違い まとめ
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日本と中国の仕事・ビジネスマナー・考え方の違いについていかがでしたか?
同じ、東アジアでも仕事の進め方や考え方は随分違いますね。
・日本の名刺は相手の分身 中国の名刺は連絡先を伝えるもの
・契約は、日本は人間関係+契約書どおり 中国は人間関係+契約書どおりにいかない?
・ミスは、日本はすぐに謝る・お互い様 中国は謝罪は敗北・徹底的に相手を追及
・人間関係は、日本は割とドライ 中国は家族的で密接
・仕事の進め方は、日本は報・連・相、中国は権限の範囲内で自由に、事後報告
・日本は給料の話はNG 中国は給料明細を見せあうほどオープン
・転職、日本は慎重・ネガティブ、中国は積極的・ポジティブ
中国で働いた事がある方にとっては、戸惑う事も多いかと思いますが
「郷に入っては郷に従え」で、まずは、日本式で仕事をすすめてみましょう。
では!
※【補足】中国の特徴については、NINJAで調査したものですが、
地域や会社規模、民族や世代によって考え方が違い上記のとおりではない事もあります