日本式 Eメールのマナーをおさえよう!~「できる!」と思わせる日本式ビジネスマナー講座~
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NINJA事務局より
日本では、相手に直接、ネガティブな事を言わない文化ですので、ビジネスマナーを間違えていても、はっきりと指摘をしてくれる人はいません。
ビジネスマナー「できる!」と思わせる日本式ビジネスマナーは、はっきりとは教えてもらえない、日本特有のビジネスマナーやルールを解説するコーナーです。日本式ビジネスマナーを身につけて今日から「できる!」と思わせるビジネスパーソンになりましょう!
Eメールは社内の連絡手段や社外への営業など、さまざまな場面において使える非常に便利なツールです。しかし、便利といっても何でも自由に書いていいわけではありません。紙の文書のほど厳格なルールはありませんが、基本的なマナーはあります。日本のメールの基本的なマナー、書き方、表現を覚えて、ビジネスの場面にふさわしいメールを書けるようになりましょう。
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◆日本式メールのフォーマットとマナー(社外向けと社内向け)
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まずはこちらの社外向けのメールの例を見てください。
【①件名】
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件名:「ビジネス日本語ABC」発送のご連絡
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【②宛名】
株式会社NINJA
販売部
高橋しのぶ様
【③あいさつ】
いつもお世話になっております。
株式会社グローバルパワー営業部のグェンです。
【④主文】
本日は「ビジネス日本語ABC」を50部ご注文いただき、
ありがとうございます。
本日、貴社宛てに商品を発送いたしました。
明日3/17(火)までに届くと存じますが、3日以内に届かない場合や、
商品に関するお問い合わせ等ございましたら、
担当グェンまでご連絡ください。
【⑤結びのあいさつ】
この度は当社をご利用いただきまして、
誠にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【⑥署名】
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株式会社グローバルパワー
営業1課
グェン バン チョン
nguyen@globalpower.com
東京都港区六本木x-x-x RPGタワー10階
TEL 03-0000-0000
URL http://www.globalpower.co.jp
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[メールを構成する6つの要素を覚えよう]
ビジネスメールは通常「件名」と「本文の5つの項目」で構成されています。社外でも社内でも内容や表現は違っても、基本の構成は同じです。どのような内容を書くのか、例を見ながら確認していきましょう。
1. 件名
2. 宛名
3. あいさつ文
4. 主文
5. 結びのあいさつ
6. 署名
①件名:忙しい相手にメールを読んでもらうために「一目でメールの内容が分かる件名」を書くことは非常に大事です。以下の3つのポイントを頭に入れておきましょう。
1. 簡潔に(20文字以内を目安に)
2. キーワードを入れる
3. 目的を書く
メールの目的を文の最後に「ご連絡」「お願い」「あいさつ」のように名詞の形で書くとすっきりと短くなり、見やすくなります。
②宛名:社外向けのメールには「会社名・部署名・相手の名前」を書きます。名前や会社名は省略せずに正式名称を書きましょう。例えば(株)は「株式会社」となります。敬称は「様」が使われます。社内の場合の宛名は「部署名・相手の名前」となります。敬称は、相手との関係に応じて「さん」や「様」や「〇〇部長」などを使い分けましょう。
③あいさつ:主文に入る前に「あいさつ文」を書くのが礼儀です。紙の文書のような格式ばったあいさつなどは必要なく、短くまとめるのがポイントです。社外では「いつもお世話になっております」、社内では「お疲れさまです」がよく使われます。あいさつと一緒に自分の所属(会社名、部署名、名前)を名乗ります。社内では名前だけでいいでしょう。
④主文:メールの「用件」を書きます。メールで最も重要な部分ですから、相手が読みやすいように段落を分けたり、箇条書きにしたりします。社外向けのメールでは敬意を示すために敬語を用いますが、社内向けのメールでは用件を簡潔に書くために敬語はあまり使わないのが一般的です。
⑤結びのあいさつ:メールの最後に一言あいさつを書くのが礼儀とされています。「よろしくお願いします」「お返事お待ちしております」など短くまとめるのがポイントです。
⑥署名:送信者の情報をまとめて書きます。毎回入力するのは大変なので、自動で表示されるように設定しておくといいでしょう。内容は例を参考にしてください。
いかがでしたか。日本のメールでは内容を伝えるだけでなく、「読みやすさ」「丁寧さ」など相手に対する気配りも大事です。さらに、社外では「丁寧さ」を、社内では「簡潔さ」をより重視するということを覚えておくといいですね。
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◆その他のビジネスメールの基本マナー
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[絵文字や話し言葉は使わない]
相手との関係にもよりますが、社内でも社外でも原則的に「(^^)」などの絵文字、「?」「!」などの文字、「~だね」「~だよ」などの話し言葉をメールで使うのは適切ではありません。特に目上の相手には失礼に当たるので使わないようにしましょう。
[一文が長くなりすぎないように]
相手が読みやすいように、文字数にも配慮しましょう。一文の長さは35文字程度です。長くなった場合には適当な所で改行しましょう。また、本文で長くなりすぎる場合は、3~5行ごとに段落を分け、段落ごとに間隔をあけるようにします。
[返信は早く]
社外でも社内でも、メールを受け取った時はできるだけ早く対応するのが礼儀です。すぐには返事ができない場合でも、メールを受け取ったことを相手に伝えるようにしましょう。返信が必要ないと思われる内容でも「ご連絡ありがとうございます」と一言相手に伝えるといいでしょう。
[誤字・脱字がないように見直す]
うっかりした漢字の変換ミスで、相手に対して失礼な文章を送ってしまうこともあります。メールを送信する前に、内容だけでなく表記もしっかり見直しましょう。心配な時には先輩や上司にチェックしてもらうといいでしょう。
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◆文例集(社外向け)
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社外あてのビジネスメールでよく使われるあいさつ文を紹介します。ビジネスメールのあいさつ文では定型句を使うのが一般的です。とはいっても、いつも同じ表現では形式的になり冷たい印象を与えかねませんので、場面に応じて適切に表現を使い分けましょう。
[冒頭のあいさつ]
・いつもお世話になっております。(定番のあいさつ)
・初めてご連絡させていただきます。(初対面の相手へのあいさつ)
・ごぶさたしております。(長い間連絡していなかった相手に)
・先日はお世話になりました。(少し前に交流があった相手に)
・本日は弊社までお越しいただきありがとうございました。(取引先が来訪した後のお礼)
[結びのあいさつ]
・どうぞよろしくお願いいたします/申し上げます。(定番のあいさつ)
・ご返信お待ちしております。(返事が欲しいとき)
・ご検討のほど、どうぞよろしくお願い致します。(商品などを紹介した後に)
・ご不明な点がございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。(連絡などの時に)
・またお会いできる日を楽しみにしております。(交流の後に)
・取り急ぎご連絡とお礼まで。(用件だけ書いて急いで送るとき)
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まとめ 日本式のメールの書き方をマスターしよう!
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いかがでしたでしょうか。今日はメールの書き方の基本、マナー、文例を紹介しました。少し振り返ってみましょう。
①ビジネスメールの書き方の基本
・件名
・宛名
・あいさつ文
・主文
・結びのあいさつ
・署名
[ポイント]社内と社外では基本項目は同じでも、丁寧さの度合いは異なる。社外では丁寧さを重視し、社内では簡潔さを重視する。
②ビジネスメールのマナー
・絵文字や話し言葉は使わない
・一文が長くなりすぎないように
・返信は早く
・誤字・脱字がないように見直す
[ポイント]受け取る相手のことを考えて書くように。
③ビジネスメールで使われる定型句
[ポイント]形式的にならないよう、場面に合わせて使い分けができるように。
メールはほかにも「お礼」「お詫び」「連絡」「お知らせ」など、様々な場面で使われます。ルールがたくさんあって難しいと感じるかもしれませんが、まずは基本を押さえて、少しずつ書きながら慣れていきましょう。相手に対する思いやりを忘れずに!
Tanaka Kumi (外国人向けキャリアカウンセラー・日本語学習支援 Language Plus One 代表)