日本式!ビジネスシーンで使う挨拶(あいさつ)の基本をマスターしよう~「できる!」と思わせる日本式ビジネスマナー講座~
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NINJA事務局より
日本では、相手に直接、ネガティブな事を言わない文化ですので、ビジネスマナーを間違えていても、はっきりと指摘をしてくれる人はいません。
ビジネスマナー「できる!」と思わせる日本式ビジネスマナーは、はっきりとは教えてもらえない、日本特有のビジネスマナーやルールを解説するコーナーです。日本式ビジネスマナーを身につけて今日から「できる!」と思わせるビジネスパーソンになりましょう!
あなたは今日、誰かに会ったときに「こんにちは」とか「ひさしぶり」などのあいさつをしましたか?あいさつは、人間関係を構築するための初めの一歩と言っていいくらい、ビジネスでも日常生活でも基本中の基本です。
しかし日常生活のあいさつとビジネスのあいさつでは違う点もたくさんあります。今日は日本のビジネスシーン特有の、あいさつのマナーや表現をご紹介します。
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日本式!「あいさつ」の基本マナー
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【自分からあいさつをする】
あいさつは誰が一番にするものでしょうか?気が付いた人からするというのが正解ですが、立場や役職に違いがある場合には、基本的には「(立場や役職が)下の人から上の人にあいさつをする」と覚えておきましょう。自分の会社の中であれば後輩から先輩に、部下から上司に、また社外であれば自分から取引先にと覚えておきましょう。
【あいさつをするときは「笑顔」で、声に出して】
あいさつは「笑顔」と「大きい声」が基本です。「頭だけ下げる」というような無表情、無言でのあいさつは逆に悪い印象を与えてしまいます。相手の顔を見ながら笑顔で「おはようございます!」「お疲れさまです!」としっかりと声に出しましょう。あなたが笑顔であいさつをすれば、相手もきっと同じように返してくれるでしょう。
【「〇〇ながら」あいさつをしない】
ご飯を食べながら、パソコンを打ちながら、歩きながらなど「〇〇ながら」のあいさつは相手に対して失礼になります。いったん手を止めて、相手の目を見てあいさつをすると心がけましょう。目上の人に会ったときは、歩いているときでも一度立ち止まって頭を下げてしっかりあいさつしましょう。
【知らない人でもあいさつをする】
会社に知らない人がいた場合でもしっかりあいさつしましょう。その人は取引先の人だったり、お客さんだったり、他の部署の人かもしれません。「社員の人があいさつをしてくれて、気持ちのいい会社だな」という印象を持ってくれるかもしれませんね。取引先やお客さんなら「いらっしゃいませ」、他部署の人なら「お疲れさまです」と言えばいいでしょう。もし相手の立場が分からない場合はお辞儀をするだけでも良いです。
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日本式「お辞儀」の基本マナー
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【日本のお辞儀文化】
あなたの国ではあいさつをする時に「握手」をしますか?「ハグ」をしますか?日本ではあいさつをするときに「お辞儀」(頭を下げる動作)をするのが基本です。頭を下げることで相手への敬意や丁寧さを表します。最近ではあいさつの時に握手をする人や会社も増えてきましたが、お辞儀の基本マナーもしっかり押さえておきましょう。
【お辞儀の種類】
お辞儀は相手への敬意や丁寧さを表すと言いましたが、ただ深ければいいというわけではありません。お辞儀といっても実はいろいろ種類があります。ちょっと見てみましょう。
15度(会釈):歩きながらあいさつする時や、出社や退社の際に多数の人にあいさつをす
る時など
30度(敬礼):目上の人に対して、お客さんが来た時、他社を訪問する時、名刺交換をす
る時など
45度(最敬礼):強い感謝の気持ちや謝罪の気持ちを表す時、または結婚式などのフォー
マルな場でのあいさつの時など
このように、気持ちの強さや、丁寧さの度合いをお辞儀の深さで表しているのです。毎日のあいさつで45度のお辞儀をしていたら「大げさすぎる」と思われてしまいます。場面に合わせて適切なお辞儀をしましょう。
【お辞儀をするときには姿勢に気を付ける】
お辞儀をするときに「首だけ下げる」という人をよく見かけるのですが、これは美しくないだけでなく、相手に不快感を与えてしまいます。お辞儀の深さにかかわらず、お辞儀の時には背筋を伸ばし、手や足をそろえ、体ごと倒すのが正しい姿勢です。手の位置ですが、女性は前で手を合わせ、男性は太ももの横に手を添わせるといいでしょう。
【丁寧なお辞儀の「3秒ルール」】
丁寧なお辞儀(敬礼)は「3秒」と覚えましょう。まず相手の目をしっかり見てあいさつの言葉を発し、2秒間お辞儀をして、3秒目でゆっくりと体を起こしもう一度相手を見ます。心の中で「1、2、3」と数えるといいですね。面接のときや、他社の訪問の時などにぜひやってみてください。
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◆ビジネスの日本式あいさつの決まった表現を覚えましょう
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あなたがいつも時間に合わせて「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」と言うように、会社でも場面や時間よって決まった挨拶があります。
*( )に入った言葉は、もっと丁寧な言い方です。
①朝出勤した時
「おはようございます」
②昼食で外に出る時
「お昼に行ってきます(まいります)」
③勤務中
「お疲れさまです」
「お疲れさまでした」
(注意点)
勤務中、朝のあいさつは「おはようございます」ですが、
昼や夜に「こんにちは」や「こんばんは」は使いません。
朝以外は基本的には「お疲れさまです」と言います。
また「お疲れさまでした」は一日の終わりの時に使うもので、
勤務中には使いません。
④一時的に外出する時
オフィスを出る人「〇〇に行ってきます(まいります)」
オフィスに残る人「行ってらっしゃい(ませ)」
⑤外出から戻った時
オフィスに戻ってきた人「ただいま戻りました」
オフィスにいる人「おかえりなさい(ませ)」
「お疲れさまです」
⑥退社時
オフィスを出る人「お先に失礼(いた)します」
オフィスに残る人「お疲れさまでした」
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まとめ 日本式!ビジネスシーンで使う挨拶(あいさつ)の基本
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今日はあいさつのマナーや表現をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
では復習してみましょう。
①あいさつの基本
・自分からする
・笑顔で、そして声に出す
・「〇〇ながら」しない
・知らない人でもあいさつをする
②お辞儀のマナーは
・あいさつの時にはお辞儀をする
・場面や相手によってお辞儀の深さが変わる
・お辞儀の姿勢に気を付ける
・丁寧なお辞儀には「3秒ルールがある」
③時間や場面によって決まった言い方がある
・「こんにちは」の代わりに「お疲れさまです」
・オフィスから出る時や帰った時にも周りの人にあいさつをする
・退社時は「お先に失礼します」
あいさつは人間関係の基本であり、あなた個人や会社の印象を左右する大事なものです。しっかりとしたマナーを身に着けて気持ちの良い職場環境を作っていきましょう。
ライター: Tanaka Kumi (外国人向けキャリアカウンセラー・日本語学習支援 Language Plus One 代表)