名刺交換のマナーとは?渡すタイミングと順番、かわす言葉とトラブル対処法を解説!~できる!と思わせる日本式ビジネスマナー講座~
公開日:
更新日:
NINJA事務局より
日本では、相手に直接、ネガティブな事を言わない文化ですので、ビジネスマナーを間違えていても、はっきりと指摘をしてくれる人はいません。
ビジネスマナー「できる!」と思わせる日本式ビジネスマナーは、はっきりとは教えてもらえない、日本特有のビジネスマナーやルールを解説するコーナーです。日本式ビジネスマナーを身につけて今日から「できる!」と思わせるビジネスパーソンになりましょう!
外国人材の皆さんが、ビジネスの現場で戸惑うのが、日本人の「名刺」に対する考え方や、「名刺交換」のルールです。日本では名刺はその人の「顔」と言われるくらい、相手の名刺も自分の名刺も大切なものです。特に人にもらった名刺を適当に扱うことは非常に失礼な行為に当たります。
まずは名刺の重要性を理解したうえで、名刺交換に関する詳しいルールを学んでいきましょう。正しいマナーで名刺交換ができれば、あなたのビジネスでの好感度も上がることは間違いありません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆名刺はどのタイミングで渡す?誰から渡す?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【名刺を渡すタイミングは?】
基本的に、名刺は「会って、あいさつする時」に渡すものです。ということは、相手に会う前
に、準備しておくことが大切だといえますね。アポイントの時間になったら、名刺入れをカバンから出して手に持ち、すぐに名刺が渡せるように準備をしておきましょう。
【名刺は誰から渡す?】
基本的には「訪問者」から渡すのがマナーです。しかし、訪問者のほうが立場が上だったりする場合には、その反対もありますので、状況に合わせて判断することが大事です。もし相手から先に出されてしまった場合は、「申し遅れました」と一言添えるといいでしょう。
【名刺は偉い人から先に渡す】
訪問先の会社の複数人と名刺交換する場合には、「役職の高い人(偉い人)」から渡していくのがルールです。とはいっても見た目ではわからないときもありますよね。その場合は、相手の言葉遣いや、部屋に入ってくるタイミングを見ながら、判断しましょう。もしあなたが上司と一緒に会社訪問する場合には、上司のふるまいを見ながら判断するといいですね。ちなみに上司がいる場合は、まず上司が相手の会社と名刺交換をするのを終えてから、あなたがするという順番になります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆名刺交換をするときにはどんな言葉を交わすの?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【基本の言葉】
名刺交換ではまずは4つの言葉だけ覚えておきましょう。渡すときの「会社名」「名前」「どうぞよろしくお願いいたします」、そして受け取るときの「ちょうだいいたします」です。
例えば、
「グローバルパワーの田中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
「ちょうだいいたします」
【非言語のコミュニケーション】
名刺交換をするときに大事なことは、「相手に敬意を示す」ことです。これは言葉だけではなく、行動でも示す必要がありますので、よく覚えておきましょう。
1.名刺は必ず両手で持つ
2.自分の名刺は相手から見て正面になるように持つ(相手への配慮)
3.自分の名刺は、自分の胸の高さより低い位置で持つ(謙譲の気持ち)
4.相手から名刺を受け取ったら、自分の胸の高さよりも高い位置で持つ(尊敬の気持ち)
5.相手の名刺を持つときロゴマークや社名が指で隠れないように持つ(相手への配慮)
6.名刺がその人自身だと考えて、大切に扱う(投げたり、メモしたりしない!)
いかがでしょうか。
1について、名刺を同時に交換する時は片手になってしまうかもしれませんが、それは仕方ありません。自分の名刺は右手で手渡して、相手の名刺は左手で受け取ります。受け取った後はすぐに両手で持つようにしましょう。
【名刺交換はコミュニケーションのチャンス】
名刺交換するのは、基本的に初めて会った人です。これを機に、いろいろなことを積極的に質問して、コミュニケーションを図りましょう。例えばこんなことをよく言います。
―お名前は何とお読みするんですか?
―素敵なお名前ですね。
―御社は〇〇(場所)にあるんですね。(私もよく知っている場所ですよ…)
―素敵なロゴマークですね。(どんな意味があるんですか?)
自分が質問された場合も、できるだけ会話が続くように答えるといいですね。
【もらった名刺はどうするの?】
受け取った名刺は、打ち合わせや話が終わるまでは名刺入れの上に重ねて、机の上に置いておきます。この時机にまっすぐ置きましょう。基本的にはその打ち合わせが終わるまでは机の上に出しておきましょう。打ち合わせが終わるころに名刺入れに収めます。「名刺入れ」はとても重要な役割を果たしますので、必ず用意しましょう。くれぐれも財布やポケットから名刺を取り出すなんていうことがないように。
【複数の人と名刺交換をした場合】
受け取った複数の名刺を机の上に出しておく場合は、名刺を座っている席の順番に並べておきます。名刺を見ながら話すので名前を覚えることができますね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆名刺交換に関するトラブルはどうする?トラブルの対処法
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名刺を持っていくのを忘れたり、思っていたよりも相手側にたくさんの人がいて、名刺がなくなってしまうというケースがあります。このような場合には、「名刺を忘れました」とか「名刺がありません」という代わりに、「申し訳ございません、ただ今名刺を切らしておりまして…」と言いましょう。
会社に戻ってなるべく早いうちに、自分の名刺と会社案内のパンフレットなどを合わせて相手の会社に郵送しましょう。この時にお詫びの手紙を添えるといいですね。このような細やかな心遣いにきっと相手は感激してくれるでしょう。ただし、これは特別な場合です。このようなことが起こらないよう、名刺は常に余裕をもって多めに持ち歩くようにしましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まとめ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本式!名刺交換のマナーとは?渡すタイミングと順番、かわす言葉とトラブル対処法を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
・日本では、名刺は「会って、あいさつする時」に渡すもの
・名刺は「訪問者」から渡すのがマナー
・名刺は「役職の高い人(偉い人)」から渡していく
・名刺を渡すときは、「会社名」「名前」「どうぞよろしくお願いいたします」と言う
・名刺をもらう時は、「ちょうだいいたします」と言う
・名刺は両手で受け取り、丁寧に扱う。打ち合わせが終わるまでは机の上に出しておく。
・名刺を忘れたり、なくなった場合は、「申し訳ございません、ただ今名刺を切らしておりまして…」と言い、後日、名刺と会社案内を相手に郵送をする。
名刺交換には言葉以外にもいろいろなマナーがあり、覚えきれないという人もいるかもしれませんね。もちろんビジネスの現場は多様なので、ここまで厳密にルールを守らなくてもいいこともあります。場面に応じて臨機応変に行動することも大事です。
ただ、一つだけ覚えておくことは、「名刺は相手の人と同じように丁寧に扱う」ということです。これさえ覚えておけば、それほど大きな失敗をすることはないと思いますので、安心して堂々と名刺交換をしてみてください。
ライター:Tanaka Kumi (外国人向けキャリアカウンセラー・日本語学習支援 Language Plus One 代表)