【展開する(tenkai suru)てんかいする】~学校では教えてくれないビジネス日本語講座~

NINJA事務局より NINJA事務局より

日本企業に晴れて入社し、活躍している外国人の方も多いと思いますが、日本のビジネスマン同士の会話、理解できてますか? きっと「はじめて聞いた!」「学校で習ったことがない」「辞書にも載ってない」という言葉が飛び交っているはず。【学校では教えてくれないビジネス日本語講座】は日本人のビジネスマンたち使う摩訶不思議な日本語を、外国人の皆さんにもわかりやすいようにご紹介していく講座です。

今回、ご紹介する「学校では教えてくれない日本語講座」は「展開する(tenkai suru)てんかいする」です。日本の職場で「展開する」という言葉、聞いた事はありますか?
早速、どんなシーンで使われるのかをみていきましょう。

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◆「展開する」が使われるシーンとは?
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<シーン1>

取引先の相手に電話で
「では、いただいた資料を関係者に展開させていただきますので」と言われた。


<シーン2>

上司に資料を渡されて
「これ、みんなに展開しといてね」と言われた。


<シーン3>
先輩が上司に
「例の件、みんなに展開済みです」と言っていた。


「ビジネスを展開する」とか「展開が早い」とかなら、習ったことはあるけど・・・と思うあなた!
上記のシーンで使われる「展開する」とは、どんな意味なのか、一緒に見てみましょう!

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◆「展開する」の意味とは?
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「展開する」とは、本来「広げる・広がる」「物事を繰り広げる」「次の段階に進める・進む」と言った意味ですね。「資料を展開する」「例の件(=情報)を展開する」というのは「展開する」の本来の使い方ではないですが、ビジネス用語として成立していて、「共有する」「伝達する」「伝える」といった意味です。

このような使い方はもともと自動車業界でなされていた様ですが、今や自動車業界に限らず、ビジネス界で耳にすることができます。

「展開する」に対する英語は「to develop」「to expand」ですが、「information」(=情報)などについては使えません。このような場合は一般的には「to share」(=共有する) が使われます。

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◆「展開する」の類語は?言い換えるとどうなる?
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類語、他の言い方をすると、下記のようになります。

・共有する
・伝達する
・伝える
・渡す
・送信する
など

例えば、上記<シーン1>の文を言い換えると、以下のようになります。
「では、いただいた資料を関係者に共有させていただきますので。」


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◆「展開する」を使ってはいけない時は?
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使ってはいけない場合は特にありませんが、(本来の使い方ではないため)この表現を聞いて戸惑う人がたまにいることを念頭に入れておきましょう。

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◆「展開する」のまとめ
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「展開する」という意味と使い方、使ってはいけないシーンを
紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

・「展開する」は、資料や情報などを「共有する」と言いたい時に使う
・「展開する」は【共有する】【伝達する】という意味
・「展開する」を言い換えると「共有する」「伝達する」「伝える」「渡す」「送信する」など
・使ってはいけないシーン: 特になし

「展開する」が自然に言えると、日本人はビックリ!
ぜひ、意味を知ってマスターしましょう♪

では!


ライター:Marina IVANOVA (日本語教師)


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