日本企業に晴れて入社し、活躍している外国人の方も多いと思いますが、日本のビジネスマン同士の会話、理解できてますか? きっと「はじめて聞いた!」「学校で習ったことがない」「辞書にも載ってない」という言葉が飛び交っているはず。【学校では教えてくれないビジネス日本語講座】は日本人のビジネスマンたち使う摩訶不思議な日本語を、外国人の皆さんにもわかりやすいようにご紹介していく講座です。
今回、ご紹介する「学校では教えてくれない日本語」は「老婆心(roubashin ろうばしん)」です。日本の職場で、または日常生活の中で「老婆心」ということば、聞いたことはありますか?
早速、どんなシーンで使われるのかをみていきましょう。
<シーン1>
先輩に
「老婆心ながら、今回の件で課長に謝るべきだと思うよ」と言われた。
<シーン2>
上司が先輩に、
「老婆心から言わせてもらうけど、この日程では難しいと思うよ」と言っていた。
<シーン3>
入ったばかりの新入社員の仕事ぶりを見て、老婆心ながらいろいろと指摘ぜずにはいられなかった。
では、「老婆心」とは、どんな意味なのでしょうか。
「老婆心」とは、「年とった女性が、度を越してあれこれと気を遣うこと。転じて、必要以上に世話をやこうとする自分の気持ちを、へりくだっていう語。」です(『デジタル大辞泉』、小学館より)。今日は後者の方、「必要以上に世話をやこうとする自分の気持ちを、へりくだっていう語。」という意味の「老婆心」について見ていきましょう。
「老婆心」はよく「老婆心から言わせてもらえば」「老婆心ながら」「老婆心だとは思いますが」といった表現で使われます。これらは目上の人が目下の人に対して使う表現で、目下の人が目上の人に対して使う表現ではありません。
また、「老婆」という言葉が入っているため、女性しか使えないことばであると思っている人もいるようですが、実は男性も使えます。
「老婆心」を使った表現を英語にすると、次のようになります。
・「老婆心ながら」“Though it may not be necessary...”
・「老婆心から言わせてもらえば」“I say this out of kindness [for your (own) sake].”
他の言い方をすると、下記のようになります。
・おせっかい
・気遣い
・思いやり
・配慮
・口出し
など
上記のように、「老婆心から言わせてもらえば」「老婆心ながら」「老婆心だとは思いますが」といった表現は、目上の人が目下の人に対しては使えますが、目下の人が目上の人に対しては使えませんので、気をつけましょう。
「老婆心」ということばの意味と使い方、類語などを
紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
・今回見た「老婆心」とは、【(省略)必要以上に世話をやこうとする自分の気持ちを、へりくだっていう語。】という意味(『デジタル大辞泉』、小学館より)
・「老婆心」は「老婆心から言わせてもらえば」「老婆心ながら」「老婆心だとは思いますが」のように使う
・「老婆心」の類語は「おせっかい」 「気遣い」「配慮」「口出し」など
・「老婆心」を使った「老婆心ながら」などの表現は目上の人に対しては使えない
「老婆心」が自然に言えると、日本人はビックリ!
ぜひ、意味を知ってマスターしましょう♪
では!
ライター: Marina IVANOVA (日本語教師)
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