日本企業に晴れて入社し、活躍している外国人の方も多いと思いますが、日本のビジネスマン同士の会話、理解できてますか? きっと「はじめて聞いた!」「学校で習ったことがない」「辞書にも載ってない」という言葉が飛び交っているはず。【学校では教えてくれないビジネス日本語講座】は日本人のビジネスマンたち使う摩訶不思議な日本語を、外国人の皆さんにもわかりやすいようにご紹介していく講座です。
今回、ご紹介する「学校では教えてくれない日本語」は「根回し(nemawashi)ねまわし」です。日本の職場で「根回し」という言葉、聞いたことはありますか?
早速、どんなシーンで使われるのかをみていきましょう。
<シーン1>
上司が先輩に、
「しかし、〇〇社の△△さんって、根回しの上手い方だな。」と笑いながら言っていた。
<シーン2>
上司に、
「例の件、〇〇社に根回し済みだよね?」と聞かれた。
<シーン3>
先輩が
「課長に、〇〇さまに根回ししておいてって言われたんだけど、正直、そういうの、苦手なんだよな」と言っていた。
では、「根回し」とは、どんな意味なのでしょうか。
「根回し」とは、本来「樹木などの移植の1、2年前に、広がった根を根もとを中心に残して切り、細根の発生を促すこと」(『デジタル大辞泉』、小学館)、つまり「植物の移植の準備作業」を指しています。ビジネス・シーンで使われる「根回し」とは、そこから転じてできた言葉で、「交渉や会議などで、事をうまく運ぶために、あらかじめ手を打っておくこと」という意味です(同上)。交渉などが円滑にいくように、事前に準備しておくことで、必ずしも悪い意味はありませんが、「こっそり」「ズルして」というネガティブなニュアンスを含む意味で使われる場合もあります。
「根回しをする」は英語で“to lay the groundwork for…“となります。例えば、<シーン1>の上司が言ったことを英語にすると、“Mr./Ms.△△ from 〇〇 company is good at laying the groundwork, isn ’t he/she?“ となります。
類語、他の言い方をすると、下記のようになります。
・事前調整
・下準備
・お膳立て
・コンセンサス
など
特にありません。
「根回し」ということばの意味と使い方、類語などを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
・「根回し」は、「植物の移植の準備作業」から転じた意味のことば
・「根回し」は 【交渉や会議などで、事をうまく運ぶために、あらかじめ手を打っておくこと】という意味
・「根回し」を言い換えると「事前調整」「下準備」「お膳立て」「コンセンサス」など
・「根回し」を使ってはいけないシーン:特になし
「根回し」が自然に言えると、日本人はビックリ!
ぜひ、意味を知ってマスターしましょう♪
では!
ライター: Marina IVANOVA (日本語教師)
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