1発合格!不合格なしの就活を実現した4つの面接対策とは?

田 瑞娟(デン ズイケン)

田 瑞娟(デン ズイケン) 中国出身 │ 35歳 │ 女性 │ 在日16年目

前職 特殊機械メーカー 営業企画
内定企業 人材サービス 営業・研修担当
好きな日本語 「好きこそものの上手なれ」「一期一会」

受ける会社すべての内定を勝ちとった田さんから、就職活動対策の秘訣をお聞きしました。
高知県ですごした留学時代や社会人時代のお話も興味深く、東京では味わえない地方の魅力も感じることができるお話です。

【経歴】
 中国 山西省出身
(中国)高校卒業
(日本)簿記専門学校 卒業
(日本)高知大学 教育研究科 卒業
(日本)高知大学大学院 心理学 卒業
(日本)専門商社 営業 
(日本)機械メーカー 営業企画
(日本)人材サービス 営業

1発面接1発合格を実現した4つの面接対策とは?

日本に留学するきっかけと日本で就職した理由を教えてください。

 私の場合は、よく留学生にある、きっかけは「漫画」や「ドラマ」、とは違います。高校生の時、両親から「英語を勉強する人は多いから日本語を勉強すればどうか」と勧められたことがきっかけです。日本語を勉強しているうちに、「日本はなぜこんなに発展をしているのか」という疑問がめばえた事と、日本語を勉強しているからには実際に日本に行ってみなくては、と思い留学を決意しました。

 留学は中国の高校と高知県にある専門学校が姉妹校でしたので、高知県に行く事になりました。来日は、中国から飛行機で関西空港におり、当時は大阪から高知県まで深夜に移動する船が出ていましたので、関空から船で高知県に移動しました。朝、船で高知県に到着したとき、太平洋の広大な海と磯の香りにとても感動しました。私は中国の山西省の内陸ですから海がとても新鮮だったのです。故郷にはない、湿った空気、綺麗なお花、海の香り、なにもかもが新鮮でした。
 学生時代は、焼き肉屋、ラーメン屋、居酒屋などのアルバイトをしました。特に居酒屋では日本文化についてよく学べたと思います。お酒を飲んだら人格が変わる人もいるという事を知りましたし、上司部下の関係で飲みにいっても飲みの席では無礼講になったり、見ていて面白かったです。土佐弁(高知の言葉)で、「はちきん」という言葉があるのですが、「男勝りの女性」という意味で、高知県の人は女性もよくお酒を飲むことを知りました。だから、高知県は離婚率が高いと教えてもらいました。

 アルバイト先の中国人の先輩が、高知大学に進学していたこともあり、日本で大学進学する事を決め、そのまま高知大学に進学、卒業しました。卒業後は帰国を考えていましたが、婚約者が日本で働くことになりましたので、私もそのまま日本で就職することにしました。

日本企業での仕事について教えてください。

 就職活動は、高知県にある商社1社を受けたところ内定をもらいましたので、そのまま入社しました。当時はリーマンショックで日本人でも就職が難しい時期でしたので有難かったです。その会社では、上海に支社はありましたが、日本での外国人採用は初でした。機械関連の専門商社でしたので男性が多い職場でした。社会人1年目でしたので、スポンジのように色々なことを吸収していたと思います。
 営業先で、土佐弁(高知県の方言)で話をすると、「中国人女性が土佐弁を使って営業をしている」と面白がってもらい、いままで誰が営業にいっても買ってくれなかったお客様が、私からの購入を決めて頂きました。当時、地元では「土佐弁が一番うまい中国人女性」としてちょっとした有名人でした。数年後、その会社から「上海支社に行ってほしい」と言われたのですが、結婚をしてこのまま日本に残る予定でしたので、お断りしました。仕事も順調で楽しい時期でしたので、かなり悩みましたが日本に残る決意をしました。

 それから、ロータリー米山記念奨学金を頂いていた関係で、機械メーカーの会長さんに声をかけて頂き、その会社に入社しました。そこでは、営業企画という部署に配属され、国内営業と海外営業の管理業務を担当しました。その時、2人の子供を授かり、産休・育休をとりました。大手の安定企業でしたので、産休や育休制度がしっかりしていて、安心して子育てと仕事を両立することができました。

 子供たちが大きくなってからは、教育のことを考え上京することにしました。高知県はお世話になりましたし大好きでしたが、子供たちの教育のことを考えると東京だと思いました。上京して、まず外国人が多い事にまずびっくりしました。そして、その外国人たちが、自分より日本語がうまくてバリバリ働いているのを見て、ショックでした。「まだまだ上には上がいるな」という事をしり、自分を奮起しました。

 大学院で心理学を勉強していたこともあり、人事や人材関連の仕事をしたいと思っていましたので、人材サービス企業の求人を見つけ応募したところ、合格をしましたので入社しました。

田 瑞娟(デン ズイケン)さんのインタビュー写真2
 

「面接を受ける会社すべて合格!」という就職・転職に成功している田さんですが何か対策はしていましたか?

「日本で就職をする」と決めたのが大学1年の時でしたから、その時から対策をはじめました。

 1つ目は先輩からSPI試験というものがあると聞きましたので、SPI試験の本を図書館で借りて1年生のころからコツコツ勉強をしました。やはりこういうものは早い時期からコツコツやる方が良いですね。

 2つ目は、図書館に行き、「朝日新聞」「読売新聞」「毎日新聞」「日経新聞」の4紙を毎日読みました。純粋に新聞を読む事が好きだったこともありますが、これは就職活動に役立ったと思います。新聞を読むポイントは、母国の中国に関連する記事を中心に読む事です。これは、面接でもそうですが社会人になってからも役立つ内容です。在学中に新聞をよんでいて印象的だったのが、日経新聞で中国に関する記事の割合が徐々に増えていった事です。
 新聞を読むことは、実際に面接でも役にたちました。2次面接では専務が面接だったのですが、中国経済の話になりました。とっさに新聞記事の内容を思い出し話をしました。

 3つ目は、面接でよく質問される事はだいたい決まっていますので、その設問に対して、回答パターンを5つ作る事です。会社によって考え方やカラーが違いますので、どのような会社でも回答できるように5パターンつくりました。当時の日本企業は、外国人社員であっても「日本人と同じように会社の社風に染めたい」という意向が強い時代でしたので、「私は御社の事をよく調べてわかっていますよ」「御社の色に染まりますよ(日本組織になじむ努力ができますよ)」というPRを意識しました。

 この面接対策は就職だけでなく、奨学金の面接でも役立ちました。大学院の時は、米山ロータリー奨学金を頂く事ができ、生活に困る事なく勉強に集中することができました。奨学金は本当にありがたく感謝しています。

今後の目標や夢を教えてください。

 日本にいる外国人のサポートをする活動を続けていきたいですね。これから日本で留学や仕事をする外国人の方々にとって、私の経験を共有することで少しでも役に立てればと思います。

田 瑞娟(デン ズイケン)さんのインタビュー写真3
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